組織力向上 組織生産性 管理職研修 人材育成 コミュニケーション

最新コラム 2010/08/04

成果を出す管理職は、仕事に対する“時間の使い方”が違う

業績の良い管理職とそうでない管理職の差は、仕事に対する“時間の使い方”に大きな差がある。管理職アセスメントを実施すると、どの会社も共通して、全管理職のうち5%が高い成果を生み出していることがわかる。彼らの共通の特徴は、“仕事に対する時間の使い方”である。“仕事に対する時間の使い方”は、“核心問題に対する集中度”と“課題達成のための高エネルギーの保持度”の2つのベクトルで測定するとよく分かる。

高い成果を実現している5%の管理職は、“核心問題への高い集中度”とそれを克服するだけの“高エネルギー”を保持している。一方、低い成果しか出せない管理職は、上司や同僚、部下、給与、評価といった自分を取り巻く要素を気にしすぎ、様々なプレッシャーを感じることで、集中度やパワーが低下する傾向がある。常に主導権を外に握られ、自身の行動範囲が限定され、振り回されることで集中度が散漫になり、徒労感から徐々に管理職としてのパワーが損なわれていく。

彼らの共通の特徴として、物事の考え方を外から中へ狭めてしまう傾向がある。考え方が徐々に狭くなるために、管理職として本来何をなすべきかの焦点が曖昧になる。その曖昧さゆえに、様々な取り組みに手を出さざるを得ず、やがて取り組み自体へのやる気がなくなる。外部への対応にほとんどの時間を費やし、気がつけば、様々なことに手を出しすぎて、何も成果が出ずに一年間を費やすケースはこれが原因である。

一方、高い成果を実現している管理職は、本来自分が何をなすべきかを真っ先に考えることに集中する。その上で、周囲との協調や協力といった外部環境を調整する行動をとる。つまり、物事のとらえ方を中から外へと広げる動きを取るのである。こうすることで、外部要因に対して、自らが主導権を握ることが可能となり、自身の必要最低限のパワーを使い、最大限の成果を上げることができる。問題の本質を見極め、その解決に最も有効な課題を立案し、課題遂行のために周囲を巻き込み、組織成果を確実に上げる。今ひとつ、目標に対する成果が出ていない管理職を、“核心問題に対する集中度”と“課題達成のための高エネルギー保有度”の2つのマトリクスで見てみると、時間の使い方の問題が明確になる。

人材育成の効果的な進め方

人材の能力を、仕事ができる人材か否かを軸としてとらえた場合、3つの能力要素が考えられます。一つ目は生まれながらにして保有している「頭の良さ」である。“頭の良さ”はいわゆる知能指数のようなものであり、“物理教授”、“プロファイラー”といった高度な論理・分析力を要求される職種でない限り必要とはされません。

二つ目は、「思考・行動要素」である。「思考・行動要素」は、仕事ができるか否かで判断する場合、もっとも重要な要素です。「少し前に人事の世界で流行した“コンピテンシー”や“ロジカルシンキング”などはこの要素に含まれる。

三つ目の要素は、「スキル」です。「スキル」の典型例の一つに語学がある。語学は、ネイティブのように言葉を聴き、発音することは容易ではないが、ビジネスを進める上で要求される会話レベルであれば、努力すればほとんどのビジネスパーソンにとって克服できます。

企業が人材育成を進める目的は、あくまで中期的に企業目標実現を進めるために、人材を社内から調達することと、社員に対して成長を実感させることでモチベーション維持・向上を図ることです。“人材の社内調達の確実化”と“モチベーション維持・向上”の二点を進める上で、企業の人材育成を考えると、上記の3つの人材能力要素、「頭の良さ」、「思考・行動要素」、「スキル」で重要なのは、「思考・行動要素」、「スキル」の2つの要素です。

このうち、「スキル」は、社員がいくら高い「スキル」を保有しているからといって、実際にビジネスの現場で高い「スキル」を使って行動してくれなければ、結果につながりません。つまり、「思考・行動要素」が一定レベルに達していないと、いくら高いレベルの「スキル」を持っていても意味がないのです。

そこで、人材育成を効果的に進めるためには、「思考・行動要素」の鍛錬が重要だと考えられます。中期の経営目標を実現するためには、どのような組織が必要で、その組織を構成する人材には、どのような管理職、メンバーが必要か、それらは現状の社内でいる人材か、既存の社員を育てる必要があるのかを明確にし、単年度の成長目標を具体的に描き、人材育成を進めることが人材育成を効果的に進めるコツです。

ただし、このような問題を具体的にどのように整理し、課題を明確にし、解決策を実施すればいいのか、具体的にわからないという声が多いのが実情です。そこで、弊社は、「組織・人材MAP」というツールを開発しました。弊社のクライアント企業は、このツールを活用し、問題や課題をステップ毎にまとめていくことで、人材育成の可視化と進捗管理をスムーズに進めていただいています。

次回は、「組織・人材MAP」を活用して、どのように人材育成を効果的な進めるかを、具体例を用いてご紹介します。